一般的に「リフォーム」は、古くなった建物を新築の状態に戻す事を言います。 壊れたり汚れたり老朽化した箇所を修理すること、例えば、 住宅の外装を塗り直したり、古くなった風呂やキッチン設備を取り替えたり、破損した床を治したりする事が リフォームに該当します。 マイナスの状態だった古い家を、「ゼロ」の状態に戻すのがリフォームです。

　建て替えやリノベーションに比べて予算や工期を安く短く抑える事ができます。 しかし、あくまでも壊れたり老朽化した箇所の修理する事がリフォームの基本ですので、 住宅の持つ機能が改善する事はありません。

　「リノベーション」は、既存建物に大規模な工事を行い、新築の時よりも性能を向上させたり、 使いやすくしたり、又デザインや間取りを大きく変更したりする事を言います。 リフォームと異なり、元の状態に「+α」で新たな機能を付ける事で、住宅の価値を上げる形となります。 例えば家族構成の変化に合わせた間取りの変更や、旧キッチンから対面式キッチンへの変更、耐震性を上げる工事などが該当します。

　リフォームは住人の希望や生活スタイルに合わせて自由に設計できるというメリットがあります。 一方、リフォームに比べ大規模工事になりやすく費用や工期が嵩む上、 リノベーションの場合住宅ローンが使えずリフォームローンを利用する必要があるため、金利が高くなるという注意点もあります。

　日本では「リフォーム」というと改装や改築の意味合いで使われてきたため、 全く新しい物を作り出す意味も含むと思われる方も多いのではないでしょうか？ リノベーションとよく混同されるのもこれが原因だと思います。

　英語の「reform」は、”改正する、改善する”という意味合いで使われます。 英語で”re”とつく単語は”元に戻す”事を意味するため、 本来の意味では「原状回復」に近い意味なのです。 一方英語の「renovation」は、”修復”という意味の他に”刷新・革新”という意味合いも含まれます。 つまりただ修復するだけではなく、新しく造りかえる意味もあるんです。

　今まで全て「リフォーム」と呼んでいましたが、最近は 「リノベーション」という言葉もよく耳にするようになり、 両者をしっかり区別するという流れが強くなっているのだと思います。

　マイホームとして、新築ではなく中古住宅をリフォームして住む、という選択肢があります。 古くなった個所、壊れたり劣化した箇所をリフォームするという広く知られた方法です。

　最近、中古住宅をリノベーションして住む、という方法も人気となってきました。 リノベーションは大きな間取りの変更や設備の変更を行いますので、 新築よりもコストが安くなり、なおかつ自分の希望に沿った住まいが出来るというメリットがあります。

　リフォームをするのか、リノベーションをするのか、 工事の規模やコスト、工期、自分の作りたい家の完成図、などをよく考えて、 工務店・建築会社さんと相談しながら進めて頂ければと思います。